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2016年10月11日火曜日

フィリピンのビリヤニ

ビリヤニは元々イスラム教徒の料理であったこともあり、スペインとアメリカ統治が長く
ビリヤニとは全く無縁そうな国、フィリピンですがビリヤニが存在するとの情報があったので、実際に行って確かめてきました。(Wikiにも載っています)
よくよく調べてみると実はスペイン統治の前、14世紀ぐらいにイスラム教が広まったことでフィリピンには一定数のイスラム教徒が存在しています。特にミンダナオ島はフィリピンでもイスラム教徒が多い島のようです。

フィリピンビリヤニは存在するのか?
時間の都合で今回はマニラとセブにしか行くことが出来ませんでしたが、結論から言うとこの2都市にはビリヤニは存在しませんでした。

フィリピンで食べたカブサ

フィリピンの首都マニラには、ゴールデンモスクという大きなモスクがあり、その周辺は
イスラム教徒が集まる地区なのでビリヤニがあることを期待していましたが、残念ながら
カブサ(ビリヤニの親戚、中東でよく食べられている)しかありませんでした。

ゴールデンモスク

ここではビリヤニという名前さえ知らない人がほとんどで、ゴールデンモスクの長老にお話を聞くことが出来たのですが、フィリピンビリヤニは本当にお祝い事でしか食べることが出来ない貴重な食べ物で、マニラでは作っているところはないとのことでした。
ちなみにこの周辺でビリヤニのオススメのお店を聞くと、フィリピンビリヤニではないアラブ系レストランのビリヤニを紹介されます笑

今回マニラでミンダナオ島出身の方からビリヤニの話を聞いたところ、名前はビリヤニではないようですが、似たような食べ物は存在するとのことでしたので、次回確認しに行きたいと思います!

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2016年10月2日日曜日

美味しいビリヤニの見つけ方


インドに行ったけど、「美味しいビリヤニを見つけられなかった」「ビリヤニに出会わなかった」との声がよくきくので、インドだけではなく、各国でビリヤニを求めてひたすら食べ歩いてきた私の経験をもとに美味しいビリヤニの探し方を紹介したいと思います。


現地でビリヤニを教わるビリヤニ太郎

ビリヤニはイスラム教徒の料理である
まずビリヤニという料理の成り立ちを理解することが、美味しいビリヤニを見つける上で
もっとも重要です。
ビリヤニの成り立ちには諸説ありますが、ペルシャ帝国(現在のイラン)がイスラム教の普及とともに南アジアに侵略し、インドでムガル帝国時代に発展を遂げた食べ物だとされている説が有力です。そのためビリヤニは元々ムスリムの食べ物なので、
美味しいビリヤニを作っているのはムスリムが多いのです!!
それではムスリムはどこにいるのでしょう?


デリーのムスリム街にあるビリヤニ

①モスクを探せ
インドでは大体、ヒンドゥー教徒とムスリムは別々のエリアに住んでいることが多く、どちらも同胞同士集まって生活をしています。そこでムスリムが多く住んでいる場所を探すには、
スク(イスラム教徒の礼拝所)を探すことが一番です。


デリーのジャマーマスジッド周辺には美味しいビリヤニのお店が集結する

このモスクを探すには、アザーン(ムスリムへ礼拝を呼びかける号令)に耳を澄まし
聞こえる方へ進んでいってください。
アザーンはモスクから流れてくるため、必ずモスクに辿り着きます。
ビリヤニは金曜日の礼拝後食べる料理であることからも、モスク周辺には必ず美味しいお店があります。

②ムスリムかを見極める
また別の方法としては、歩いているムスリムにおすすめのお店を聞くことです。
それは美味しいビリヤニを知っているのは、日常的に食べているムスリムだからです。

典型的なムスリム

ただ見知らぬ人に「あなたはヒンドゥー教徒ですか?ムスリムですか?」とは聞けないと思いますので、見極めるポイントとしては、あご髭を伸ばしている、シャルワルカミーズ(民族衣装)を来ている、帽子をかぶっていることです(みんながみんなそうではありませんが)。
見つけたら奥さず、聞いてみてください。大体心良く美味しいお店を教えてくれます。
ただムスリムに美味しいビリヤニを聞いて歩いていると、大体モスクにたどり着くのですが笑

今回ご紹介した方法に加えてビリヤニTシャツを着ていけば、さらに簡単に見つけることが出来ますし、探すのが一層楽しくなります。
またインドだけではなく他の国でも同様に通用しますので、ぜひ実践してみてください。


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2016年9月17日土曜日

ケニアのビリヤニ

ケニアビリヤニ

ケニアにビリヤニ!?
意外かもしれませんが、アフリカ大陸にもビリヤニが存在し、ケニア、タンザニア、ソマリアなどで食べることができます。
どのような経緯でビリヤニがアフリカ大陸に伝わったのかは定かではありませんが、ケニアなどには多数インド人がいることから、元々インド人が作っていたものをアフリカの人が現地化していったのではないかと推測します。


写真からもわかるように、味&色付けされたお米にトマトベースのグレービーをかけた
ビリヤニです。
味は、スパイスがほんのり香るお米にトマト煮込みがかかった感じです。
お米はバスマティではなく、具はチキンが多いです。

ケニアのビリヤニとの出会い
ケニアにビリヤニが存在するというのは知っていたのですが、
実際に見つけた時はで感動的でした。
どうしてかと言うと、当時エジプトから南下して東アフリカ縦断の旅をしていたのですが、
主食がエジプト、スーダンは平べったいパン、アエーシ、エチオピアは腐ったピザとして有名なインジュラ、以南は名称は場所によって違うものの穀物の粉をお湯で練って団子状にした
ウガリで、数週間ぶりのお米だったからです。


ケニアのビリヤニは、首都ナイロビでしか見つけることが出来ず、提供しているお店も比較的
奇麗なレストランで、みんながビリヤニを知っている訳ではなかったのでまだ国民食としては認知されていないようです。

残念ながらケニアビリヤニを出しているお店は日本にはありませんが、ケニア料理を出すお店は東京にあるようです。
アフリカを旅する機会があれば、ぜひ食べてみてください!

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2015年11月21日土曜日

ビリヤニマサラ独特な香りの正体「Kevda water」(ケウラウォーター)

市販のビリヤニマサラを使ったことがある方ならわかると思いますが、
ビリヤニマサラ独特の匂いがあると思いませんか?
またお店のビリヤニには、自分で作っても再現できない独特な香りがあると思いませんか?
(市販のビリヤニマサラを使っているお店は多いですが・・・)
この食欲をそそる独特な香りはどうやったら出せるのか

スパイスなのか?
ローズウォーターなのか?
バスマティの違いなのか?
アルブハラ(乾燥したプラム)なのか?

と色々研究してみましたが中々分かりませんでした。
しかし!!先日インドに出向いてついにこの独特な香りの正体が分かりました!

それはKevda(Kewra)waterでした!

Kevda waterとは、タコノキ属の花から抽出されたエッセンス水で、北インドやパキスタン料理によく用いられます。*Wikipedia参照

これはローズウォーターは花の種類が違いますので、もちろん違います。

使い方としては、完成したビリヤニに数滴振りかけて、数分蒸すだけです。
この香りを嗅いだ瞬間に「あー、これこれ」となるはずです。
インド料理店でも良く使われており、お店の香りが中々再現できないと悩んでいる方は必見です。一度試してみてはどうでしょうか?

日本ビリヤニ協会通販サイトにて販売しております。


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2015年11月19日木曜日

インドにビリヤニTシャツを着ていったら・・・


日本ビリヤニ協会から販売している、
インドの主要5言語で「ビリヤニ食わせろ」と書かれたビリヤニTシャツ国際版
「No biriyani No life」と書かれた日本ビリヤニ協会オフィシャルTシャツを来て
インドでビリヤニを食べ歩いてきたらインド人の反応が面白かったので紹介します!

①ビリヤニが勝手に出てくる
お店に入って全力で店員にTシャツを見せつけるとニヤニヤしながら何も言わずに
ビリヤニを持ってきてくれます。このTシャツを着ていれば一言も発っしなくても、
ビリヤニを食べることが出来ます。どんなに外国語が苦手な方でもこれを着ていれば安心。

②VIP待遇になる
このTシャツをお店の人に見せると
「No Biriyani No life? Nihon Biriyani Association?え?なにこれ?」みたいな反応をされて「俺は日本からわざわざビリヤニを食べにきたんだ!!」と自信満々に言うと
「え?何かすごい人来たんだけど」という感じになり急に態度が変わります。
そして、自分のお店のことを自慢してたり、調理方法を丁寧に教えてくれたり、終いには無料でビリヤニが出してくれました。

③笑われる
お店に入ってビリヤニを食べていると、
「No biriyani No lifeって書いてあるんだけどwwww」
「ビリヤニ食わせろとかマジうけるwww」
といった感じでいろんな人に笑われて人気者になれます。
ここで満面の笑みで「ビリヤニ最高だね!」って返すとインド人は非常に喜んでくれます。このTシャツは着ているだけで、見知らぬ人と一気に仲良くなれる素晴らしい効果がありました。

このようにビリヤニTシャツを着ているとインド人の面白い反応を見ることができ、
インドでの食べ歩きが一層楽しくなります。
インドに行く際はぜひ、ビリヤニTシャツを着ていってください!
そうすればあなたも人気者間違いなしです!

*これはあくまでも個人の体験談であり、インド人がどのような反応をするかは
あなた次第です。
*ビリヤニTシャツは日本ビリヤニ協会公式通販サイトにて販売しております。


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2015年8月28日金曜日

セーラ米とバスマティ米の違い

セーラ米というお米をご存知だろうか?

ビリヤニを追い求めてインドやパキスタンに出向くと、必ずセーラ米という疑問のお米に打ち当たる。日本では目にすることがほとんどないが、現地のビリヤニやプラオには頻繁に使われているお米である。

ビリヤニを現地で食べ歩いていると、お米がバスマティ(ビリヤニに使われる香り米)よりも一回り大きく、コシが強いことに気づくだろう。
セーラ米の存在を知らない時は、「このお米が太くてコシがあるのは、ビリヤニの炊き方の違いだろう」と思い研究に研究を重ねたが、一向に思ったように炊き上げることができなかった。
それはそうだろう、お米が違うのだから・・・笑

セーラ米

さて、話をセーラ米に戻すと、セーラ米とは英語でPar Boiled riceと呼ばれ
収穫→籾殻が着いた状態で一度蒸し上げる→乾燥→精製
されて作られたお米の総称である。お米の品種ではない。
そのためバスマティ品種のセーラ米も存在し、ビリヤニなど使われているのがこれだ。

セーラ米(ここではバスマティセーラ米)と普通のバスマティ米を比べると
・普通のバスマティよりも一回り大きい
・薄黄色がかった色をしている
・バスマティ米のような独特な香りが薄い
・炊き上げた時に、お米とお米がくっつきにくくパラパラしている

デリーのセーラ米を使ったビリヤニ

ここで、なぜ普通のバスマティではなく、セーラ米がビリヤニに使われているのかという疑問がわいてくる。これが正解かは分からないが、個人的見解は下記である。

・普通のバスマティよりも安価である
・普通のバスマティよりも一回り大きいため、お米が割れづらく扱いやすい(ご存知の用に普通のバスマティはすぐ割れてします)

今まで食べ歩いてきた経験上、屋台レベルではセーラ米が使われており(特に北インド)、レストランレベベルになると普通のバスマティを使っているとことが多いので、上記理由で間違えないと思う。

インドに行った際は、屋台でビリヤニを食べて普通のバスマティとセーラ米の違いを比べてほしい。

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ビリヤニキット


2013年3月15日金曜日

パキスタンビリヤニ巡りの旅


パキスタンビリヤニ巡りの旅

はじめに
 私が初めてビリヤニに出会ったのは、タージマハールでもおなじみのインド・アグラーでのことである。元々インド料理が好きで、日本で食べ歩きをしているうちに、本場のインド料理を食べてみたいという単純な欲望でインドに行ったことが始まりだった。そこで何となく立ち寄った屋台で食べた肉とスパイスの味がしみ込んだ油っこい米料理(後にこれがビリヤニだと気づく)の美味しさに感激して以来、私はその虜になってしまったのだ。
 帰国後は、インドで食べた味を再現すべく、週に3回もビリヤニを作ったり、関連する文献を読みあさったりした。また、「日本ビリヤニ協会」との出会いもあり、どんどんのビリヤニにめり込んでいったのである。深く追求していくにつれ、もう一度本場インドのビリヤニを食べたくなり、去年インドのムスリムが集中している街であるデリー、アグラー、ラクノーとハイダラバードビリヤニ巡りの旅にでた。この旅行では、私を虜にしたビリヤニがあるアグラーで作り方を教わったり、ビリヤニの聖地と言われるハイダラバードで伝統的なカッチビリヤニ(マリネした生肉から作るビリヤニ)を教わったりしながら15日間で46皿、1日平均約3皿もビリヤニを食べ続けた。
 ここまで読んでいただいたら分かるように、私は超がつくほどのビリヤニフリークである。そこで、私をこれほどまで虜にしたビリヤニという料理、日本ビリヤニ協会について、また今回のパキスタンビリヤニ巡りの旅について記述していきたいと思う。

ビリヤニとは?
 ビリヤニ(ビリヤーニー、Biryani)とはインドやその周辺国(パキスタン、バングラディシュなど)、主にイスラム教徒の間でお祝い事の時よく食べられている、スパイスと肉(魚や野菜もまれにある)の炊き込みご飯である。どのように誕生したのかには色々な説があるが、ペルシャの米料理がアフガニスタンや中央アジアを経由して北インドに伝わったという説が有力だ。お祝い事だけでなく、街中のあらゆるところにビリヤニを食べられる屋台があり手軽に食べることも出来るので、日本でいうお寿司のような存在と言ってもいいのではないだろうか。また、あまり知られてはいないが、パエリア、松茸ご飯に並びビリヤニは世界三大炊き込みご飯の1つとされている。
 さて、インドなどで絶大な人気を誇り、また世界三大炊き込みご飯とも言われるビリヤニがなぜインド料理店が多く存在する日本においてほとんど提供されていないか疑問に感じないだろうか?
 稀に日本でもビリヤニを提供している店があるが、そのほとんどがカレーとご飯を炒めただけのカレーチャーハンである。このような簡略ビリヤニを否定する訳ではないが、やはり日本ビリヤニ協会としてはこれをビリヤニとして認める事はできない。ビリヤニとはあくまでもインドやパキスタンの高級米「バスマティ米」を使った、スパイスと肉の炊き込みご飯であり、カレーチャーハンでもドライカレーでもない。まして日本米を使うなどもっての他である。私が知る限りでは、本格的なビリヤニを出す店は都内に数えるほどしかない。
 ここでビリヤニの作り方について一度触れておきたい。ビリヤニは非常に手間のかかる料理で、最低でも1時間、長い場合には5時間以上かかることもある。作り方は主に3つだ。もっとも一般的な作り方はパッキビリヤニと言われる作り方である。タマネギ、肉、スパイスなどを炒めてグレービー(いわゆるカレー)を作り、その上に8割の硬さに茹でた米を入れ、層にして炊き込むビリヤニの総称だ。北インドやパキスタンで作られているビリヤニの大半はこのようにして作られている。もう1つは、ヨーグルトやスパイスで肉をマリネし、その上に半分ぐらいの硬さに炊いた米を入れ層にして炊き込むカッチビリヤニだ。これはハイダラバードのみで見られる伝統的な作り方で、ハイダラバーディーカッチビリヤニとしてビリヤニファンから絶大な人気を得ている。3つ目はパッキビリヤニのようにグレービーを作り、その中に茹でていない生の米を入れて炊き込むビリヤニがある。これは南インドやバングラディシュでよく見られる作り方で、ビリヤニにグレービーをかけて食べることが多い。少しマニアックな話にそれてしまったので、なぜ日本のインド料理店にビリヤニが存在しないかについて話を戻そう。

ハイダラバーディーカッチビリヤニ

なぜ日本のインド料理店にはビリヤニがないのか?
日本のインド料理店でビリヤニが存在しない主な理由は2つあると考えている。1つはビリヤニの特性にある。ビリヤニは、少量だけ作るのには無理があり、1度に大量にしか作れないのだ。例えば、代表的な作り方のパッキビリヤニのように、米とグレービーを層にするのにある程度の量が必要だからだ。この特性から、まだビリヤニの知名度の低い日本で大量に作ったとしても売れ残こる恐れがあるため、提供されていないのではないだろうか。ちなみに本場インドやパキスタンでは1度に20人〜30人前以上作るのが一般的であり、多い時には100人前以上作る時もある。
 もう1つは調理の難しさだ。ビリヤニは非常に手間がかかり、また途中で味の調整をすることができないので、完成して蓋をあけてみないとその出来具合がわからず、味と米の炊き加減を完璧に仕上げるのは至難の業だ。ビリヤニの本場においてさえ、専門に作る職人がいるというくらいだ。このように調理の難易度が高いため、日本にカレーとビリヤニの両方を作れるシェフが少ないのではないだろうか。
 上述の理由から、残念ながら今のところ日本で本格的なビリヤニを食べられるところは少ない。このような状況下で、本場で美味しいビリヤニを食べて帰国後、本格的なビリヤニにありつけず嘆いている人も多いのではないだろうか。この現状を打破するために、日本でも本格的なビリヤニを広めたいという思いから発足されたのが、現在私の所属している日本ビリヤニ協会である。

日本ビリヤニ協会
 日本ビリヤニ協会は日本でのビリヤニの普及を目的とした非営利団体だ。2010年3月に現会長、大澤氏によって発足された。大澤氏自身もインドで食べたビリヤニの美味しさに感銘を受けたが、帰国後本格的なビリヤニを食べられなく嘆いていた1人である。そして、日本人にもっとビリヤニという食べ物を知ってほしい、という熱い思いから協会が発足された。発足以降「ビリヤニを国民食に」というスローガンのもと試食会や料理教室などのイベントを行い、インド・パキスタン料理業界のビリヤニブームの火付け役となった。私たちの最終的な目標は日本人がお昼を「ラーメン、牛丼、ビリヤニ」で迷うまでビリヤニの地位を向上することだ。私は協会発足メンバーの1人として主に調理を担当している。
 私は調理担当として、ビリヤニについてより深く知るためにインドに出向きビリヤニの作り方を教わったり、鍋などの調理器具を調達に行ったりしてきた。今回はビリヤニの起源を探るべく、ビリヤニの親戚と言われているプロフ(ウイグルではポロ、にんじんと肉の炊き込みご飯)をウイグル、中央アジアで食べ、中国からパキスタンに入りビリヤニの調査に出かけたのである。

なぜパキスタン?
 パキスタンに行かずしてビリヤニを語る事はできない。それは、ビリヤニがインド料理ではなく、イスラム教徒の料理であるからだ。現にインドでもビリヤニを作っているのはほとんどがイスラム教徒である。元々1つの国であったインドとパキスタンだが、インドのイスラム教徒が独立して作った国がパキスタンだ。この背景を考慮すると、人口の大半がイスラム教徒のパキスタンが実はビリヤニの本場なのではないかという仮説さえ立てられる。このような理由で私はビリヤニを語る上でパキスタンは外せないと考え、北はスストから南はカラチまでビリヤニ巡りの旅にでたのである。

最北端のビリヤニ
 ビリヤニの親戚と言われるプロフをウイグルや中央アジアで食べ、中国からカラコルム峠を抜けて到着したパキスタン最初の町はスストと呼ばれる何もない国境の町だった。さすがにこんなところにビリヤニがあるとは思えなかったが、少し歩き回ってみるとすぐに見つけることができた。しかし、肝心のビリヤニの出来前というと、米に芯が残っていてイマイチであった。スストは回りに何もなく、調理器具もまともに揃っていないので料理をする環境としては最悪であることは考慮しなければならない。出来前はさておき、この辺鄙町でさえビリヤニに出会えるとはさすがパキスタンだと感心させられた。その後、ホテルのスタッフにお願いしたところ、ビーフ(バッファロー)のビリヤニを作ってくれた。これがパキスタンで最初で最後のチキン以外のビリヤニとなった。ちなみにインドの屋台ではビーフが主流だ。作ってくれたスタッフに話を聞くと、パキスタンの北部ではスパイスをあまり使わないらしく、そもそもビリヤニを作る事はほとんどないようだ。確かに言われてみればここで食べたビリヤニはあっさりしていた。このような具合で1日に何食もビリヤニを食べる旅は続く。

フンザ・ギルギッド
 次に向かったのはフンザだ。桃源郷として知られ絶景を一望できるフンザだが、私の目的はもちろんビリヤニだ。フンザ(カリマバード)にはビリヤニを食べられるところは2件しかないが、近くのアーリアバードまで下ると何件か店がある。この一帯はスパイス屋もほとんどなく市販のシャーン(Shan)のビリヤニマサラ(ビリヤニ用のミックススパイス)を使っていた。
 その後訪れたギルギッドでは結婚式の料理を食べる機会に恵まれた。驚かされたのは、結婚式で振る舞われていたのはビリヤニではなく、プラオ(スパイスをあまり使わない炊き込みご飯)であったということだ。インドで何度かイスラム教徒の結婚式で料理を食べさせてもらった事があるが、そこではもちろんビリヤニが振る舞われていた。パキスタンの結婚式でも当然の如くビリヤニが振る舞われるものだと思っていた。主催者の方に話を聞くと、結婚式では子供も大勢来るため、ビリヤニよりも辛くないプラオを作るのが一般的であるとの事だった。

ラワールピンディー・ペシャワール
次に向かったのはパキスタンの交通網が集中する、ラワールピンディーだ。田舎の山々が連なる風景から一転し、人やリキシャ(三輪タクシー)の量も増え、建物も増えて町らしくなってくる。それに伴いビリヤニのレベルも一気に上がる。炊き加減もパラパラの完璧で、パキスタンらしい酸味が少しきいた味に仕上がっている。この酸味はトマトとレモン、アルブハラ(パキスタンの梅干し)でつけるそうだ。
 その後はシャワールへ向かった。この街はアフガニスタンの国境に近く、アフガン料理が食べられる町だ。街につくと、すぐにビリヤニらしきものが目に入り、早速食べてみた。それはビリヤニでなくカブールライスというアフガニスタンのレーズン、ひよこ豆、お肉の炊き込みご飯だった。この料理を出す店がずらりと何件も並んでいる様子を見ると、ペシャワールではカブールライスが主流だということが分かる。実際に町を歩いていても、カブールライスはすぐに見つかるがビリヤニを見つけるのは一苦労だった。肝心なビリヤニだが、インドのデリーのようにオレンジ色に着色されているのが特徴的だった。

ペシャワールのカブールライス

ラホール・カラチ
 次に向かったのはパキスタンのラホールである。ラホールのビリヤニは生米から作るタイプであっさりしていた。あるケータリングのお店で作り方を教えてもらったらところ、ビリヤニはすべてバスマティ米で作ると思っていたが、セーラ米というお米を使っていた事には驚かされた。セーラ米は、バスマティ米と比べると一回り大きく、コシがあって食べごたえある品種だ。
 最後に訪れた町はカラチである。カラチのビリヤニはシンディービリヤニとしても有名で、パキスタン人も「美味しいビリヤニはカラチにある」と声を揃える。シンディービリヤニの特徴はジャガイモが入っていて、お米がオレンジ色に着色されていることだ。またスパイスが効いていて辛めの味付けである。ビリヤニが有名なカラチだけあって、食べられる店がたくさんあり、スチューデントビリヤニというパキスタンで幅広くチェーン展開しているビリヤニ専門店の発祥の地でもある。ハイダラバードがインドのビリヤニ激戦区であるならば、パキスタンではカラチがそれにあたるだろう。

ラホールでビリヤニの作り方を教えてもらう

カラチのシンディービリヤニ

パキスタンのビリヤニを食べ歩いてみて
 私は今回15日間の旅でビリヤニを31皿、1日平均約2皿を食べてきた。これでパキスタンのビリヤニを知り尽くしたとは到底思っていないが、私が感じたことを述べ、このコラムを締めくくりたいと思う。
 私がパキスタンのビリヤニに対して感じた事は3つある。1つはビリヤニのレベルの高さである。パキスタンでは本当にどこで食べても美味しいビリヤニに出会える。先ほども述べた、フライパンで炒める簡略ビリヤニを出すお店などまずなく、どの店も大きな鍋で大量に作っている。またインドと比べても美味しいビリヤニに出会える確立は高いのではないかと思う(インドでも稀に簡略ビリヤニが提供されるため)。     
 2つ目はビリヤニに使う肉が基本的にチキンであることだ。ビリヤニはチキンかマトンが主流だが、私がパキスタンで食べたビリヤニは1つを覗いて、すべてがチキンビリヤニだった。マトンのものは1度も見つける事ができなかった。聞いたところによると、マトンはチキンの数倍の値段がするため庶民は食べられないという。ちなみにビーフがない理由は、パキスタン人はあまりビーフが好きではないという理由だった。
 3つ目は油の量だ。インドのビリヤニを知っている方なら、ビリヤニがどれほど油っこい食べ物かご存知だろう。それに対してパキスタンのビリヤニは比較的油が少なめで、食べていても口の回りがギトギトにならないので、パキスタンのビリヤニの方が、日本人に取って馴染みやすいのではないだろうか。 
 このようにパキスタンにはパキスタン独自のビリヤニ文化がある。これを垣間みることができ、多いに収穫があるビリヤニ巡りの旅となった。また、ビリヤニという食べ物を語る上で、イスラム国家であるパキスタンは外せない存在であることも確信できた。そして最後となるが私は日本にも、パキスタンのようにどこでもビリヤニが食べられる時代がきて、独自のビリヤニ文化を形成してくれることを切に願っている。

日本ビリヤニ協会調理担当
近藤太郎

*これは日本パキスタン協会の会報「パーキスターン」第244号に掲載されたものを協会側から承諾を得て転記したものです。

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2011年10月26日水曜日

インド各地のビリヤニ

15日間インドのムスリム圏を中心に、1日平均3ビリヤニ、計46ビリヤニを食べ歩いて、各地のビリヤニについて感じたことを紹介していこうと思います。

*基本的にビリヤニを食べたのは屋台です。


まずビリヤニとは(ビリヤーニー、Biryaniबिरयानीインドの炊き込みご飯です。
ドライカレーでもなく、炒めご飯でもありません。元々中東(イランなど)の食べ物であったと言われており、ムスリムがインドを侵略したムガル帝国時代の食べ物です。このような理由から、現在モスク周辺には必ずとビリヤニ屋があり、インドで美味しいビリヤニを作っているのは、ムスリムであると言っても過言ではありません。


デリービリヤニ

1番の特徴はお米の色で、オレンジに着色されています。
またスパイスはあまり使われておらず、アッサリしています。
しかし大量の油が使われており、オイリー。
お肉は大体ビーフが使われていて、長時間煮込んでいるので柔らかいです。
*グレービーを作り、層にして炊き込む*パッキビリヤニです。
価格:150g20Rs       

アグラービリヤニ

1番の特徴は、塩気が強いことです。
しょっぱすぎて食べられないこと多々あります。
スパイスも色々使われおり、特にブラックペッパーを多用している傾向があります。
色は全体的に薄い赤?薄い茶色?です。
デリービリヤニ同様、もしくはそれ以上にオイリーで、
釜の下に余った油をかけて出てくることもありました。
グレービーの中に生米を入れて炊き込むビリヤニで、
使われるお肉はビーフ率が高いです。
アグラービリヤニは、デリービリヤニとは違い、コッテリ系ビリヤニです。
価格:150g20Rs     
  
【関連記事】
アグラービリヤニの味は!!
このビリヤニからすべては始まった!!←私がビリヤニにハマるキッカケになったお店を紹介してます
ビリヤニの作り方を伝授してもらう!!

ラクノービリヤニ

1番の特徴は、持ち帰りの際にきれいな四角い箱に詰めてくれます。
(普通はビニール袋)
オイリーで、お肉はビーフ率が高いです。
味的には、デリーとアグラーの中間なビリヤニでしたが
お肉は柔らかくありませんでいした。
価格:1皿で20Rs       


ハイダラバードビリヤニ


1番の特徴は、タマネギベースのグレービーで層にして炊き込んでいることです

ハイダラバードビリヤニというと、マリネした生肉の上に、半分ぐらい炊いたお米を入れて長時間炊き込むカッチビリヤニだと思われがちですが、いろいろなお店で店員に確認した結果レストランで出てくるのは、残念ながらほぼ全部パッキビリヤニでした。(パッキビリヤニ、カッチビリヤニ自体あまり使われていない言葉のようで、

お店の人が理解していなかったのかもしれませんが)

でも結婚式やお祭りでは、野外でカッチビリヤニを作っていました。



ハイダラバードのビリヤニは辛いとよく言われていますが、私はそのように感じませんでした。むしろ辛いというより、しょっぱいと感じることの方がありました。

使われるお肉は、マトンかチキンで、他のビリヤニとオイリーではなく、
どちらかと言うとパサパサしています。


またハイダラバードビリヤニには必ず、ライタ(ヨーグルト)と茄子カレー(BagaraBaingan)がついてきます。
ハイダラバードには、ビリヤニ屋台がほとんどなく、大体レストランで頼むと、
半端ではない量がでてきて1人では食べきれません。


おまけ
駅弁ビリヤニ

スパイスと一緒に炊き込まれたご飯に、グレービーがかかっていてビリヤニと呼んでいいのか定かではありません。でも売り子が「ビリヤニ、ビリヤニ」と言って売っているのでビリヤニなのでしょう。

*グレービー:カレーのこと

*アッサリ:ここでは油の量ではなく、スパイスの量が少ないことを指している。

*パッキビリヤニ:ビリヤニの作り方の1つ。グレービーを作り、炊いたお米を上に乗せ層にして炊き込んで作るビリヤニの総称。

*カッチビリヤニ:ビリヤニの作り方の1つ。マリネした生肉の上に、半分ぐらい炊いたお米を入れ層にして、長時間炊き込んで作るビリヤニの総称。



以上ビリヤニ報告でした。

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